映画『パラサイト半地下の家族』 ネタバレ感想

 

アカデミー賞受賞以外の前情報は何もなく、

初めは「社会問題系のちょっと構えて見なきゃいけないやつかな?」

と思っていましたが、こういう話か! と前半で一気に引き込まれました。

 

いやもぅ!

ひっさびさに!

面白かったーーー!

 

最初、身分を偽って家族が次々と就職していくシーンで、

「よくやるな〜!」と小気味よいハラハラ。

 

私は、「できるかどうかわからないし不安」っていう理由で新しい仕事に手をあげたり挑戦とかできないたちで、

そんなだから彼らが仕事を得るために大いに自分を有能に見せたり、車の使い方をサクッと学んだ後にすぐ働き始めちゃったりする姿を見て、ちょっと感心しちゃいました。もちろん経歴詐称はダメだけど。

 

 

最終的には家族全員がこの家で働き始めた時、

 

「なるほど、だからパラサイトか」

なんて思って見ていたけど、

 

まさかのまさかの豪邸の地下にさらに地下が!

 

家主が不在の夜に家で宴会し始めるシーンで、

絶対途中で予定急遽変更して帰ってくるやつだって〜

なんて見てたけど、もう予想の遥か上。

 

地下室の隠し扉が開いてさらに地下へと続く階段を降りていくシーンとか、

「この先何があるの? どうなるの?」ってもうずっとハラハラ。

そして、かれこれ何年もここに隠れ住んでいたという前の家政婦さんのご主人。

こっちが本当のパラサイトだったか!! って。

 

タイトルを二段回で回収するとは。

 

前の家政婦さんに対し、ご主人が

「いい家政婦さんなんだけど、食欲が旺盛で2人分食べる」

みたいなことを言っていたけど、

その2人分の意味がわかった時に、なるほどね〜と。

 

 

あぁ。このまま協定を組んで、仲良くパラサイトもやろうと思えば本当にできただろうに。

たった一晩と翌日で、こんなことになってしまうとは。

もっと言うと、元家政婦さんの旦那さんが出てきて暴れた時、あのまま何もしなければ半地下の家族は元の通りのパラサイトに戻れたかもしれないのに。

娘さんだけちょっとあれだけど、他の人たちは求められている仕事を正当にこなしていたわけだしさ。

 

けど、たまらずご主人を刺しちゃったお父さん。

ちょっと、気持ちわかる……ってなっちゃうこの感覚。もちろん人を刺すのはダメだけど。

 

大雨で沈む半地下の家。

拭いきれない体に染み付いた匂い。

致命傷を負った自分の娘より、ショックで倒れただけの金持ちの息子が優先される。(まぁ他所の人より我が子が優先っていう親の気持ちだろうけど)

 

 

どれだけ豪邸に仕えて働こうと、本来の自分は変わっていないんだよなぁと言うのを突きつけられちゃったのかなぁと。

 

 

最後、息子からお父さんへの手紙のシーンの描写は、こうなったらいいなの想像シーンですよね。

あぁ、やっぱり正々堂々安心して生きるには、自分の力で手に入れなきゃいけないんだよなというちょっと教訓めいたことを感じる、いい終わりでした。

 

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