旅は若いうちに行った方がいいというのを切実に痛感しているのでその心境を綴ってみる

雑記

よく、「旅は若いうちに行け!」と聞きますよね。

もっと言うと「学生のうちに借金してでも行け!」というのも聞いたことがあります。

個人的に、これには強烈に同意します。

 

夏休みとか、数ヵ月単位の休暇なんて普通にサラリーマンしていたらもうなかなか手に入りません。

「時間がない」というやつですね。

 

でもそれ以外にも、失ってしまうものがたくさんあります。

10代の頃に初めて海外一人旅をし、それから何回か旅をして30代になった今、これらの言葉に「ホントだなぁ」と感じているので、その想いを綴りたいと思います。

 

 

感性が衰えた

これは、私が年を重ねたからか、それとも単純に旅の経験を積んだからかはわかりません。

けれど、まだ世界を何も知らなかったあの頃、初めて見た海外の景色というのが一番心に刻み込まれています。

 

街中の壁に描かれた落書きにですら、「海外っぽい……!」と感動したものです。

けれど、今では旅行に行っても、あたり前の光景として流し見です。

 

感動が薄れつつある冷静な30代の今より、偏見のない10代20代の頃にした旅の方が、心が躍っていたんです。

 

 

でも、大自然系は今の方が感動するんですよね。

 

小さい頃、家族旅行でどこかの山に泊まりに行き、朝日を見に行きました。

眠くて仕方なかったのに叩き起こされて、太陽<<<<<<<<<眠気って感じで、カケラも感動せず。

周りの大人たちがうるうると感動しているのを見て、「こんな朝早くから太陽なんか見て何が楽しいんだ」と思っていました。

 

けれど、最近はちょっとした夕日なんかにも思わず涙ぐんでしまうんですよね。年かな。

忙しい日常の中に、何かを忘れていたけれど太陽は変わらずそこにある……みたいのを感じてしまいます。

あの時の山頂の大人たちもそうだったのかなぁ。

体力・気力が衰えた

10代20代のみなさん。

まだわからないでしょう。でもね、確実に来るの。

 

昔は、バス移動で10時間と言われても、全然余裕! という体力と気力を持っていました。

 

けれど、日々如実に感じられる体力の衰え……。無理した時のぶり返し……。

定期的にジョギングしているので、単なる運動不足とは違うと思うんですよ。

でもね、10代の頃に明らかにあった体力・気力が、今はもうないんです。

 

そんな時、行きたい先を調べていて

「バスで8時間か……。しんどそう……。止めるか」

という選択肢になりがち。

 

先述の感性の衰えとも相まって、

「ん~行ってもこんなもんかとなりそうだしな~。止めるか」

と、どんどん行動範囲が狭まるんですよね。

 

目をキラキラさせながら、バスに揺られて見知らぬ土地へ向かっていた若かりしあの頃が眩しい。

 

 

 

60代の母親と旅行に行くこともあるんですが、海外の飛行機などは本当にしんどそうにしています。

旅の疲れなのか時差ボケを引きずってしまったのか、1週間近くもんもんと体調が芳しくない状態だった母親を見て、少し寂しくなりました。

 

楽しかった旅を終え、日本に戻ってきた時も、「楽しかったねー」とすぐに日常生活に戻れればいいんです。

けれど、「楽しかったけどキツいな」っていう感情が残っちゃうと、次また旅行行こう! となった時、どんどん躊躇するというか、行動の幅が狭まってしまうんだろうなと思うんですよね。

仕事なんかしてたら、余計にしんどい。

 

それでもまたすぐ「海外旅行行きたい!」と旅行のパンフを見てルンルンしている母は、私よりよっぽどパワフルだと思います。

 

体力は衰えてしまうものかもしれないけれど、気力はいかようにも保持できるのかも。

人生の重荷を背負いつつある

学生と社会人の大きな違いは、「時間がない」ということ以外にも、「抱えているものがある」ということが大きいんではないでしょうか。

 

社会人になってからも、休みを取って1週間ちょっとの旅行などよく行ってました。

けれど、旅行中、やっぱりどうしても仕事のことを考えてしまうんですよね。

休みをとっている間は周りの人への配慮も必要ですし。まぁそこは持ちつ持たれつ。

 

あの案件大丈夫かなぁとか、帰ったら貯まった仕事の処理しなきゃなぁとか。

これは頭の切り替えができない私の特性かもしれませんが。

旅の終わりになると、あーあと○日でまた会社かぁと考えてしまって、目の前の旅に集中できない。

 

休暇中も緊急時は電話受け付けますって人や、休暇中は誰にも邪魔されず自分のペースで仕事ができる時間! って言っていた人なんかもいました。

もちろん、職種や役職の違いだったり、本人の仕事に対する価値観の違いもあると思います。

 

けれど、私は旅行中は旅行のことだけに集中したい。

けれど、色々抱えている責任があって、それは途切れることがないから旅行中もついて回るんだよなぁと。

 

休みは海外旅行に行く、しかも定番な観光地じゃなくてちょっと奥地に行きたいなんて話を会社の人に話していたら

「危険なところに行ってなんかあったら、会社の人達に迷惑かけるんだよ」

と言われたことがありました。

そうかぁ。会社に属している限り、休暇中とはいえ自分の好きだけでは過ごせないし自分の身体は自分だけのものではないんだなぁと。

 

これで結婚して子どもも生まれて、となったら、もっとたくさんの責任と制約ができるんだろうなぁと。

 

完全に自分の自由だけで過ごせたのって、若かったあの頃だけだったんだなぁと。

 

 

“人生で一番大切なのは、思い出をつくることだ。”

後に、一念発起してヨーロッパに旅に出た。だが、30歳のタイミングでは遅すぎた。もう、ユースホステルに泊まり、20代前半の旅人たちと和気藹々とできる様な歳ではない。仕事上でも数年前より責任ある立場になっていたので、個人的な旅行のために何ヶ月も休暇を取るのは難しかった。

残念だが、この旅はもっと若い時にすべきだったーー。

DIE WITH ZEROより

まさにこれなのです。

 

この本に出てきた、20代の頃に旅に出たという、著者の友人の語るような経験を、

「いいなぁ私もそういうのしたかったなぁ」なんて思ってしまうのです。

 

私もずっと、世界一周みたいなものに憧れて、一昨年ようやくタイミングを掴みヨーロッパへふらふら旅行へ行きました。

けれど、「世界一周したい!」という熱意の様なものは、実は薄れつつあったんです。

でも、多分もう今しか行けないしって。

だからか、どこかで無理してる感というか、「私が憧れたのはこんなだったのかな?」と思うような感覚になっちゃって。

 

実際にあちこち回っている最中、めちゃくちゃ楽しいと思うのと同時にどこかで「疲れたなぁ。早く家(日本)帰ってゆっくりしたいなぁ」なんて思ってしまうこともあって。

今目の前に見たことも聞いたこともない世界が広がっているというのに、非常にもったいない。

 

昔ほど知らない人と臆せず交流するってこともなぜかできなくなっていて。

キラキラと輝きながらはしゃぐ若者集団なんかを見かけては、「若いなぁ」なんて思いながら遠巻きに眺めてしまいます。

 

ユースホステル自体は今も全然泊まるけど。あの空間は好き。

 

「行きたい」と思った「今」が大事

年齢を重ねると、

「人生って本当に短いのに、やりたいことやらずに過ごしていたらあっという間に10年とか過ぎる」

というのを身に染みて感じます。

 

でも、「若いうちにしか行けないって言うから!!」って無理して行くものでもないと思います。

 

そして、「もうこんな歳になってしまったし」と諦めるものでもないと思います。

 

私も、30代なって行った旅は昔と比べると〜、って話を書きましたが、

それでも40代50代60代に行った時と比べたらって考えると、やっぱり「今」行ってよかったんだろうなって思います。

 

今回のヨーロッパ旅行で、

「もう一回絶対ここに来たい」

「人生を通してこんなことに挑戦したい」

という新たな思いも芽生え、確実に「いい経験をした」と言えます。

 

 

あれ。書いてるうちにタイトルからそれちゃったな。

「若いうちに行った方がいい」のは確かなんだけど、

「それでも、若かろうと老いてようと、行きたいと思った今行けばいい!」

って感じでしょうか。

 

まとめ

お金ができたら、時間ができたら、って「いつか」は一生来ない。

2020年、こんなにも海外旅行に行くことが制限される日が来るなんて想像したことすらなかったですよね。

本当に、行きたい! やりたい! と思った「今」が大事なんだなと。

行けるうちに行っておかないと! やれるうちにやっておかないと!

というのは、人生のすべてに通じて思います。

 

社会人だろうが、老いていようが、子どもいようが、行きたい時に行けばいい。やりたいことをやる。

もっと自由に生きればいい。

 

自分も周りもそんな人で溢れればいいなと思いました。

 

 

2023年3月 追記:やっぱり行ってよかった旅

ふと、ブログ整理でこちらの記事を読み返していました。

 

記事内で触れている、「今しかタイミングない」と思って行ったヨーロッパ旅行から約3年半。

旅の熱は薄れつつあっただとか、無理している感があっただとか書いていましたが、読み返すと本当にあの時行ってよかったなぁと。

 

こちらの記事を最初に書いてから約2年半、あれから生活や家族構成や色々変わって、確実にあの頃よりも”人生の重荷”が増えています。

(”人生の重荷”というより、”旅よりも大切にしたい何か”であることが喜ばしいことではありますが。)

 

前よりももっと熱意が薄れていて、前よりももちろん気力体力も落ちていて笑、自分の中での旅に対する比重が落ちているからこそ、あの時行って本当に良かったなぁと。

 

何年経っても何度思い返しても、いい時間だったなぁと振り返れるのです。

当時は、少し無理しちゃった、100%心の底から満足できた旅じゃなかった、なんて思っていましたが、もうなかなか行ける環境にない今思うと、本当にいい思い出を残せたなぁと。

 

「時間」と「お金」は頑張れば作れる。

「気力・体力」もお金できっと解決できる。

けど、「『行きたい』と思う気持ち」って、自分の中から発するものであって作ろうと思っても作れない。

 

これを最近本当に思います。

もう最近はお家大好きで、休みの日にどこか出かけるのも数ヶ月に一度くらいで。笑

だからこそ、100%準備が整っていなくても、少しでも「行きたい」という気持ちがあったあの時、行って良かったな〜と。

 

このブログも、元々は旅ブログとして残そうと立ち上げたのにすっかり日常的なことばかりになってしまって。

しばらくはもう”旅”はそうそう行けないし行かないな〜なんて思うけれど。

でも、まだまだこれから、「数年後にはこんな旅がしたい」とワクワクするやりたいこともあって。

 

その時その時の想いを大切に、楽しく生きていけたらいいなーなんて。

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